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櫻井由子さくらい ゆうこさん
2018年5月 Iターン
出身地:東京都
現住所:岡山県津山市
職 業:カフェギャラリー経営
    美術家

オランダからフランス。長期に及ぶ海外生活を経て、ルーツの地である津山へ移住。

移住を決めた経緯

櫻井さん:津山に移住するまでは、海外に16年間住んでいました。最初に移住した国はオランダで、そこから国を渡り歩いて、最終的にはフランスで美術家活動をしていました。
津山は両親のふるさとであり、祖父母がいたところでもあるので、以前から定期的に津山には来ていました。津山で過ごした後、オランダやフランスに帰り、津山での思い出や、津山で得たものをテーマに作品をつくっていました。

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ーーいつから美術家として活動されていますか?

自分で作家活動を始めたのは2002年からです。作品をつくるに当たって、「何で自己表現するか?」と考えたときに、やっぱり自分のベースやふるさとであったり、ルーツであったりを考えるんです。私の最初の作品は、「田んぼ」や「日本海」というタイトルだったんですけれども、その半年後から「津山」という作品を、大体一年半に一度のペースでつくり続けています。「津山」という形がどんどん私の中に蓄積されていくうちに、帰国を考えるのであれば津山かなと思うようになっていました。

距離を置いて海外から客観的に日本を、津山を見ていると、訪れるたびに地元の人が気づかず放置されたままの古き良きものが、老朽化でどんどん消え去っていく。この現状を何とかしたいという気持ちが私の中に湧いてきて、津山への移住を決めました。

▼櫻井さんの作品「津山」。
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NishiIma25(ニシイマヴァンサンク)について

ーーNishiIma25はどんな場所ですか?

櫻井さん:芸術、文化に重点を置いたギャラリー、カフェ、民泊空間です。江戸時代の面影を残す空間において、忘れかけている昔ながらの良さを再認識し、文化の共有や発信、そして国際的な文化の架け橋の場になればと思い、ここNishiIma25をオープンしました。アートとは、鑑賞する以外にも、音楽、映像、演劇、舞踊、食、建築を含め様々なジャンルがあります。各々が内に秘めている芸術性が自然に表にあらわれる、感じる、そんな自由空間を目指しています。アートのある日常空間での民泊。歴史と文化との体験。私はこれがNishiIma25の一番の魅力だと思っています。

▼NishiIma25(津山市西今25)
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ーー数ある古民家の中からここを選んだ理由は?

櫻井さん:私は、様々な人を受け入れられる環境が大事だと思い、駅に近いところ、古い町並み、静かな環境を条件に物件を探していました。この出雲街道沿いというのは、昔の文化のあったところですし、山もあって、川もあって、自然との文化もあり魅力のある地です。
そしてこの家は古い町屋で、江戸時代から代々受け継がれてきたおうちなんです。その大家さんが文化貢献という形でこの家を使ってもらいたいというお考えで借主を探しておられました。ですので、いい大家さんとの出会いも、ここを決めた大きな要因です。

▼津山藩士であり、文人画家でもあった飯塚竹斎(1786-1861) が1847年に製作した襖絵。
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ーーカフェで食事はできますか?

櫻井さん: 1日15食限定でランチ営業をしていて、極力自然農法のお野菜を、阿波の方や、地元の農家さんから直接購入し、届けていただいたものを使っております。
ランチもお昼の時間というふうに限らずに、11時から17時まで、お好きな時間に食べてくださいという形をとっています。ご自由にこの空間を使ってくださいというのが私のモットーでもあるので。
使う食材だったり、置いてある家具だったり、NishiIma25で使っているもの全てが極力地元の方のものです。

▼季節の素材を生かした料理を提供。こちらは宿泊客の朝食の一例。
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▼1階では、素敵な作品たちを眺めながらカフェが楽しめます。
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ーー津山に移住する前から、こういった場所をつくりたいと思っていましたか?

櫻井さん:思っていました。海外に住んでいたときも、アーティスト・イン・レジデンス(招へいされたアーティストがある土地に滞在し、作品の制作やリサーチ活動を行なうこと)の活動をしていました。1つの建物を無料でアーティストに提供して、そこで生活をしながら作品をつくってもらい、展覧会を生み出す環境を与えてあげるものがあるんです。アーティスト・イン・レジデンスは世界中にあるんですけれど、そこの運営にも携わっていました。当時から、お互い全く違う人が集まることで刺激を得て、自分の良さも相手の良さも感じつつ、新しいことを生み出そうとすることにすごく魅力を感じていました。

この素敵な環境を帰国してからつくることで、海外の方にも受け入れられるし、他にも東京の方が「田舎生活ってどういうもの?」という体験のためにも津山に来る機会が増えるかなと。

私自身、観光地を訪れるだけの旅行はあまり魅力がないと思っています。地元の方たちと実際に触れ合うことで、観光地のことや、そこに住む人の良さなどに気付き、「また戻ってこようかな」ということにつながると思っています。そういう人と人とのつながりを生み出せる空間をNishiIma25でつくっていきたいです。

▼2階は民泊空間。各部屋に置かれた、個性豊かな作品たちがお出迎え。
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▼日々の忙しさを忘れ、ゆったりとした時間を過ごせそうな中庭。
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ここ津山での暮らしについて

ーー櫻井さんが感じる、津山の魅力とは?

櫻井さん:移住前は、これほど自然豊かで穏やかな場所だとは思っていなかったです。それに、新鮮で美味しい食材が手に入る。山、川、瀬戸内海、日本海にも近く、自然と密接に関わり合える環境でありながら、日常生活を営める素晴らしい場所だと思います。それと、ものすごい文化が残っているところだなと。
例えば、津山にはお寺がいっぱいありますよね。一軒ずつ知ろうとしても、ものすごく奥が深いです。どうして津山にこんなに禅宗が多いかというと、やっぱり本源寺さんが藩主森家の菩提寺だから禅のお寺が多いんです。こういった津山のことを知れば知るほど、津山の魅力に引き込まれます。どこまで津山の魅力を吸収できるかというのも、私のチャレンジなのかなと思います。

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ーーNishiIma25のこれからについて

櫻井さん:まず第一は、NishiIma25が津山の憩いの場の1つに定着してくれるようになったらと願うばかりです。また、インバウンドの方々の情報交換の場であったり、アートや食のほか、サイクリング愛好家、バイカー、バックパッカー車での旅行者など、いろんな旅を楽しむ方が集う場になったらと考えております。
また、どうすれば職人さんの生活がもっと豊かになるか、どうすれば農家の人たちが直接的に利益を得られるような環境づくりができるかと考えたときに、そのきっかけの場所にNishiIma25がなれたらと思います。

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津山に移住を検討中の方へメッセージ

櫻井さん:能率的ないい仕事をするためにも、良い生活環境が大切だと思います。良い環境で仕事ができることほど贅沢なことはないです。その点で津山は素晴らしい環境です。温泉もありますし!
分からないことはどんどん人に聞いて解決するように。声をかけたら何かしら返ってきますし、応援もしてくれるし、アドバイスもくれるから、1人で閉じこもらなくて大丈夫です。同じ場所に住んでいる住民として、お互い助け合っていけたら良いですね。

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