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灘岡 弘二・萌なだおか こうじ ・ も え さん
2020年3月 Iターン
出身地:大阪府
現住所:岡山県津山市
職 業:津山市地域おこし協力隊
    (弘二さん)
    Webライター
    (萌さん)

まずは住んでみて、感じる。 津山で手に入れたのんびりした暮らし

津山市へ移住した経緯

弘二さん:大阪で生まれ育った私は、新卒での就職を機に一旦上京していた時期を除いて、大阪市内で生活してきました。その間、エンジニアなどの技術職をメインに複数の職種を経験しましたが、段々と疲れてきて。もともと自然が好きで、たくさんの人の中で過ごすのが得意ではなかったということもあり、もう少し人口密度の低い場所で暮らせたらいいなあと考えるようになったんです。妻も似たような部分があるので2人で相談し、まずは大阪ふるさと暮らし情報センター(https://www.osaka-furusato.com/)へ情報収集に行くことにしました。

萌さん:初めて大阪ふるさと暮らし情報センターへ行ったときに、たまたま岡山県北の津山圏域と呼ばれるエリアの方たちが来られていて。センターの職員さんに「良い方たちですから、ぜひ話を聞きに行って」と勧められ、津山ぐらし移住サポートセンター(以下サポートセンター)の方たちと出会いました。大学生の頃、アルバイト先に津山出身の子がいたので、私は津山の地名だけは知っていたんです。

弘二さん:私はまったく聞いたことのない地名でしたが…(笑)。妻にとって少し馴染みのある場所だったこと、サポートセンターの方たちに良くしていただいたことから、まずは翌月に開催される移住体験ツアーに参加しようということになったんです。47都道府県、すべての移住先候補を訪れるのは物理的に困難ですし、まずはご縁のあったところへ行ってみようと。

萌さん:移住体験ツアーでは1泊2日かけて、津山城や国の重伝建地区に選定されている城東地区などの観光地巡りや複数件の空き家見学、そして先輩移住者との交流の機会をいただいたんです。津山がどんな雰囲気を持つ地域なのか、地元の方の話す様子や会話のテンポ、方言の違い、そして先輩移住者の体験談から感じられた貴重な時間でしたね。

 

▼灘岡さんご夫妻参加の「2019年8月の津山ぐらし移住体験ツアー」のレポートはこちら

https://life-tsuyama.jp/iju-times/inside/tour/post-3016/

 

弘二さん:市街地に居ても山が見えて、草の匂いがする、大阪にはないのんびりとした雰囲気が何とも気に入って、ツアー1か月後の2019年9月には2人で津山を再訪しました(笑)。2回目に来た時は、市が所有する住宅に安価で長期間滞在できるトライアルステイ住宅へ2泊3日滞在。車がなかったため行動範囲が限られてはいましたが、それでも近くのスーパーで買い物をし、津山で暮らすことを体感できたのはとても良かったと思います。

萌さん:「産直のコーナーに安い野菜がたくさんあるね」「このお惣菜は大阪ではあまり見かけないな」など、スーパーで買い物するだけでも発見がいっぱいで楽しかったですね。

 

▼最大14泊まで可能、津山ぐらしを体感できる「トライアルステイ住宅」の詳細はこちら

https://life-tsuyama.jp/trialstay/

 

弘二さん:以降は12月と翌2020年の1月、2月と2~3か月に1回は津山を訪れ、仕事や暮らす家の準備をして、3月に移住しました。思い返してみると初めて津山を訪れてから1年足らず、かなり短い期間でトントン拍子に話が進んでいますね(笑)。

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移住前の準備について

弘二さん:移住を決めてからの準備としては、引越しを完了させておきたい日程を先に設定し、そこから逆算して動いていったという感じです。2021年の3月中頃には引越しを終えたかったので、その1か月前の2月初旬には物件を決めておきたいねと。自分達でインターネット検索することはもちろん、移住支援室の方たちのお力も借りて、物件は意外とすんなり決まりましたね。

萌さん:ネットを使い、自分達だけで物件を探すことに限界を感じて、サポートセンターの方たちに「良さそうな物件があれば紹介してほしい」とお願いしたんです。車も知り合いもいない状態から津山での生活をスタートさせることになるので、とりあえず市街地の賃貸物件であること、その他にも間取りや日当たりなどの条件を伝えて、物件探しに協力してもらいました。その結果、2月に1泊2日の日程で一度内覧へ行っただけで、住むところを決められたんです。当時は本当に津山で住む家が決まるのかと毎日ドキドキで。物件が決まり、心底ほっとしたのを覚えています(笑)。

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お仕事について

萌さん:私はもともと在宅メインでフリーランスのWebライターとして働いていたので、当面の仕事の心配はありませんでした。「いま大阪でやっている仕事を、とりあえずそのまま津山の自宅でもやればいいかな」と。ただ、私1人の収入だけで生活するのは難しいので、夫の仕事をどうするかは移住に当たり悩んだポイントでしたね。都市部より求人の数も、給与の額も少ないイメージのある地方で、当面の稼ぎ口をどう確保するべきか。他の移住候補地もあるなかで、最終的な行き先の決め手になる要素は夫の仕事かなと思ってました。

弘二さん:そんな折、サポートセンターの方から地域おこし協力隊の募集があることを教えてもらって。妻と話し合い「応募してみて、もし採用が決まったら、縁があったということで津山へ行ってみよう」と決めて、地域おこし協力隊の仕事へ応募したんです。選考の結果は採用。これはもう、津山に呼ばれているのかもと(笑)。採用の連絡をいただいた後は、先述したような具体的な移住の準備に入っていった感じです。

萌さん:人間、住むところと仕事さえあれば、生きてはいけますからね(笑)。住んでみないとわからないことの方が多いだろうと思っていましたから、夫の仕事が決まったことをきっかけに飛び込んじゃいました。

津山での暮らしについて

弘二さん:移住から1年半ほどが経ちましたが、現在の暮らしには満足していますよ。車を手に入れてからは、余暇時間の過ごし方も大阪にいた頃から大きく変わり、外出することが増えました。津山から車で30分~1時間の範囲だけでも、岡山県北には鍾乳洞や温泉地など、私にとって楽しいスポットがたくさんあります。それでいて津山の市街地にはお店や病院もけっこうたくさんありますし、特に不便や不自由さは感じていません。

萌さん:大阪時代と同じく家で仕事をしていても、ここでは窓から山が見えます。車の走る音も少なく、外から聞こえてくるのはほとんど自然音のみ。昼間はトンビがピーヒョロ鳴く声が、夜はカエルや虫の大合唱が聞こえてきます。ちょっと窓を開けて外を眺めるだけでも良い息抜きになるところが、私はとても気に入っていますよ。リモートワークが可能な職種、雇用形態の方にとっては、津山での暮らしは良いんじゃないでしょうか。ただ、一人で好きなように出かけようと思うと、車の免許は必須です。私も大阪時代はペーパードライバーでしたが、ここ最近はやっと運転に慣れてきたところです(笑)。

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地域の人との交流について

弘二さん:集合住宅に住んでいるので、都会の人がイメージするような濃厚なご近所づきあいはないんです。同じアパートに住む人とは、顔を合わせたときに挨拶をするくらいで。私たちにとって一番濃厚な地域の人との交流の機会は、農業のお手伝いに行くときですかね。

萌さん:津山へ来てすぐの頃、サポートセンターの方に「畑で作業をさせてもらえるところはありませんか」と相談していて。移住をしたら自分で畑をやってみたいと思っていたのですが、集合住宅なので自宅に庭があるわけでもなく、すぐには家庭菜園をするのも難しいと思ったんですね。そこで、まずは畑や土に触れられる機会だけでも作れないかなと相談して、津山市で農業トライアルワーク(https://life-tsuyama.jp/agriculture_trialwork/)の受け入れをしている農家さんをご紹介いただきました。もともと農業トライアルワークは津山圏域外に住む人を対象としているそうですが、特別に最初のご紹介だけさせていただきますということで。

弘二さん:2020年の5月頃から、ちょくちょくお手伝いに行っているんです。畑の畝を作ったり、ビニールを掛けたり、植えつけや収穫はもちろん、ときどき草取りもしています。

萌さん:受け入れ先の農家の方も初めこそ緊張気味でしたが、最近では冗談も言ってくれるようになってきました(笑)。地域の方からすれば、私たちは大阪から突然やってきた謎の夫婦ですから、警戒や緊張をされるのは無理もありません。この前はトラクターにも乗せてもらったりとかもして。都会に住んでいたら、こういう経験や人との繋がりはなかなかできないですよね。

弘二さん:正直、田舎は人付き合いが怖いイメージもありましたが、少なくとも私たちそんなことはなかったです。むしろシャイな人が多いかもしれません(笑)。何かと気にはされているのかなと感じることはありますが、悪いことばかりでもありません。ちょっとした会話がコミュニケーションのきっかけにもなります。結局はコミュニケーションのとり方次第なのかなと思いますね。

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これからについて

弘二さん:とりあえずもう2~3年くらいは、津山で暮らせたらいいなあと思っていますね。地域おこし協力隊の任期は最長で3年なので、任期後も住み続けられるかどうかはこれからの自分達次第です。いつかは家を購入して犬と暮らし、地域の方と津山を訪れる移住者、旅行者が交流できる場を作れたらいいのかなと考えていますね。

萌さん:そうですね。これからもここで暮らしていくなら、先々の仕事のことは考えていかないといけません。2人で何らかの仕事や事業を立ち上げて、一緒に運営していければ理想的だと考えているので、がんばっていきたいと思います。

津山に移住を検討している方へメッセージ

萌さん:仕事と住む家の目処さえつくなら、まずは住んでみるのがお勧めです。トライアルステイでも住む経験はできますが、本当に住んでからこそ気づく地域の魅力もたくさんあると私は思います。あとはやっぱり人を頼ること。私たちは津山に来るにあたって知り合いが0だったので、頼れることは全部頼ってやろうというマインドで移住してきました。少なくとも私たちの周りには、頼ってみると助けてくださる方がたくさんいます。

弘二さん:一生住む場所へ移住しよう、家を購入しようと決めて移住先を探すと、かえって決断できなくなってしまいます。海外に行くわけでもないですし、まずは賃貸からでもいいと思います。「張り切って移住!」というよりも、まずは住んでみて、津山の風土や人の雰囲気を感じてみてほしいですね。

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