移住のきっかけ

進学のため津山を離れ、7年弱を東京で過ごしたあと、Uターンしました。
進学当時は津山に戻るつもりはなかったのですが、都心で飲食業に従事する中で徐々に気持ちが変化していきました。
学生時代カフェが好きで、サービスを受ける側から提供する側になりたいと思い、アルバイトからスタート。
就職先も飲食業を選び、接客やバリスタの技術を学びました。
競合店が多く、厳しい競争の続く都内に身を置く中で、ルーツのある津山の方が、
自分のこだわりや想いを着実にカタチにしていけるのではと考えるように。
学んできたものを自分なりにアウトプットしたいという思いもあり、家業を継承しようとUターンを決意しました。
僕のバリスタの経験とノウハウを家業のスイーツファクトリーにプラスすれば、さらに魅力あるお店作りができるのでは
との思いもありました。

現在のお仕事について

山北にあるスイーツファクトリーアンジェで、バリスタとしてカフェ業務を行いながら、店舗運営にも携わっています。
東京時代に働くお店の条件として、こだわりが2つありました。ひとつは、地産地消や生産者とのつながりを大切にしているかどうか。もうひとつは、マニュアル一辺倒ではなく、お客様一人一人に合わせた接客をしているかどうか。今でも大切にしている指針でもあります。

現在、物価高や資源高、消費者マインドの冷え込みなど、飲食業を取り巻く状況は決して良いとは言えません。
そんな中、来店してくださったお客様に喜んでいただくためには、サービスや接客はどうあるべきかを常に考えています。
接客指導にも力を入れ、スタッフとも円滑にコミュニケーションが取れるよう、気を配る日々です。
毎月第3日曜日にはお店を離れて、中心部の田町で “軒下 Apéro” という昼飲みイベントを、市内の飲食店さんや農家さん達と
共同開催しています。
ワインや珈琲などの嗜好品を、気軽に手軽に楽しんでもらえる機会になればと始めました。
それぞれの持ち味を活かした料理・ドリンク・スイーツ・季節の新鮮野菜やハーブなどをお試しいただけます。
「津山にもっと大人も楽しめる場所と時間を！」という想いを共有できる仲間が集まるこのイベントは、
僕にとってとても良い刺激を与えてくれる場になっています。

津山の魅力

自然が豊かなことは言うまでもないですが、その豊かさが育む津山の食文化も誇るべきものです。
そずり鍋や干し肉といった肉食文化が津山は有名ですが、美味しい川魚や季節ごとに収穫される地場野菜など
食材が非常に豊富。
イチゴ・イチジク・梨など四季折々の津山産の果物も楽しめます。
農家さんが多いので、産直市場などでとてもリーズナブルに新鮮な野菜を買うことができるのです。
手軽に良い食材が手に入るので、こちらに帰ってきてから自炊することが増えました。
お店でも津山産の小麦や果物にこだわったスイーツ作りを行なっているので、その美味しさや生産者のこだわり・想いを、
もっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。

これからのこと

津山はまだまだ知られていない魅力がたくさんある街です。
個性的なお店が徐々に増え、面白い人たちが集まり、街を盛り上げようとする動きがあちこちで見られます。
毎月行っている昼飲みイベントもそのひとつです。
家業だけにとどまらず、このイベントのような、新しい場でのチャレンジをこれからも続けていきたいと考えています。
田町とは別の場所でのイベント出店の話もいただいているので、ご縁とタイミングを大切に、
お店とは別軸で展開させていきたいです。
僕のこだわりを詰め込んだセレクトで、ワインやビールを提供できる場も設けてみたいという思いもあります。
ワイナリーやビール醸造所それぞれの歴史や製造ストーリーを聴きながら味わってもらう、体験型のイベントにしたいのです。
大人が楽しめる機会や場がもっと増えていけば自ずと、津山の街ひいては県北全体がより活性化し、さらに魅力あるエリアに
なっていくでしょう。

移住を考えている方へのメッセージ

自分で動いて探せば、津山では魅力的な場所をたくさん見つけることができると思います。
飲食店の評価サイトなどを参考にするのも良いですが、自分が好きになったお店の人に、
お気に入りの店やスポットについて聞いてみてください。
嗜好が似ているので、自分の好みに合う情報を得られる可能性が高いです。
この方法で僕も交流の輪を広げていきました。
津山へI・U・Jターンしている人も多く、移住してきた人達のつながりもあるので、津山だけでなく周辺エリアも含めて、
動いてみましょう。どこかに必ず属せるコミュニティがありますよ。
しっかり自分でアンテナを立てて、津山暮らしを楽しんでください。